プリント基板はさまざまな電子機器に使用されていて、製造する製品ごとに使用するプリント基板もさまざまなものがあります。さらに、基板は一度つくれば永遠に使えるわけではありませんので、半永久品です。電子機器が動作しているときには電子部品から放出される熱により劣化が起きることがあります。電流が部品に流れると同時に熱を放つ、電子機器内部は高温になることも珍しいことではありません。

そのため、プリント基板も熱に強い素材を選択することが長く使えるコツにも繋がって来るわけです。最近は、ガラスエポキシ基板が使用されることが多いのですが、これはガラス布と呼ぶガラス繊維を布状にしたもので、これにエポキシ樹脂を浸み込ませた材料で製造された製品です。電子機器の機能が増えることで使用する電子部品の数も増える、しかし基板のサイズは大きくできないので実装密度を高める必要があります。このとき役立つ存在になってくれるのが多層構造のガラスエポキシ基板です。

ICカードやデジタルカメラ、そしてパソコンのマザーボードなどで活用されることが多いようです。他にもいろいろな種類がありますが、ガラスコンポジット基板はガラス繊維をカットして均等にしたマット状の素材にエポキシ樹脂を浸み込ませたもので、ガラスエポキシ基板よりも安価で耐トラッキング性が良いなどの理由から、家電品やAV機器、産業用機器など幅広い分野で活用されています。なお、プリント基板の中でも古くから存在しているのが紙フェノール基板で、加工しやすいためプリント基板を自作するときに使う人も多いのではないでしょうか。